【歴史】レズビアンの語源となった詩人 サッフォー

【歴史】レズビアンの語源となった詩人 サッフォー

女性同性愛者を表現する言葉としてレズビアンという言葉があります

19世紀ごろから使われるようになったとされていますが、この語源となった詩人サッフォーについて紹介します

サッフォーはどんな人?

1883年の作品 Wikipediaより

サッフォーはサッポーとも呼ばれ、紀元前630年頃〜紀元前570年頃に活躍した女性詩人です

彼女の作品に対する評判は非常に高く、死後数百年後にプラトンによって「10番目のミューズ」と評されました

ミューズとはギリシア神話で芸術の神アポロンに仕える9人の芸術と文学を司る女神のことで、フランス語読みでミューズと表現されます

ミューズについてはイリアスのオデュッセイアでも触れられています

その他 ムーサやムサなどと呼ばれることもあります

その芸術と文学を司る女神に例えられるぐらいに評価が高かったと考えられます

サッフォーの作品

サッフォーは恋愛に関する作品を多く残しています

愛、エロティズム、嫉妬、憧憬どうけい(憧れること)満ちたサッフォーの詩は、主に女性がターゲットとなっていました

男性向けのものもいくつかあります

作品の一つには、サッフォーが恋焦がれる女性が男性と一緒にいるところを見た時の嫉妬心を、鮮烈に表現した詩が現在にも残されています

サッフォーの作品はエジプトの首都アレクサンドリアに保管されていましたが、古代ローマやキリスト教においては廃退的であるとされて、多くが破壊されてしまいます

作品の一部はキリスト教の迫害から逃れササン朝ペルシアへ亡命した学者たちによって持ち出され現在に至ります

レズビアンの語源はサッフォーの過ごした場所

サッファーが恋愛についての詩を多く残し、同性愛にも高い関心があったことは分かりましたが、なぜレズビアンという言葉が生まれたかについては

サッフォーがその生涯を過ごした場所にヒントがあります

サッフォーはエーゲ海にあるレスボス島でその生涯のほとんどを過ごします

レスボス島は、トルコとの国境近くにある、ギリシアで3番目の大きさを持つ島です

サッフォーの作品の新しい翻訳が出版され、また彼女の生涯を描いた小説も出版され始めた後は、同性愛女性の旅行先として人気を呼ぶようになりました

このことからレズビアンの語源はこのレスボス島にあるとされる説が有力です

特に、彼女の誕生の地、エレソスはレズビアンに人気の観光地となっています

しかし、レスボス島という呼び方は地元ではあまり歓迎されておらず地元では、ミティリニ島という呼び方をしています

また、島の住民が同性愛者団体がレズビアンという言葉を使うことを禁止する訴えをギリシアの裁判所に起こしましたが、棄却されています

その他サッフォーに由来する言葉として、「サッフォー風の、同性愛の、レズの」という意味のsapphicや、女性の同性愛を意味するsapphismというものが現在でも使われることがあるようです

サッフォーのまとめ

  • サッフォーはギリシアレスボス島出身の女性詩人
  • 恋愛に関する詩を書き、愛とエロティズムなどについて女性をターゲットとしたものもあった
  • 作品の多くは破壊され一部が残っている
  • サッフォーの作風からレスボス島はレズビアンの語源となり、サッフォーに由来する同性愛に関する言葉が残っている

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